身体障害者の日常生活における様々な動作を補助するのが、介助犬です。
身体障害者の障害の程度に合わせたサポートができるよう、特別な訓練を受けています。
介助犬ユーザーにとって、大切なパートナーとなります。
身体障害者のパートナー
身体障害者の身体の一部になって働く犬が、介助犬です。
盲導犬が視覚障害者の目となり行動を共にするのと同様に、介助犬は身体障害者の手足となって日常生活のサポートをします。
日常生活における動作補助以外に、介助犬ユーザーにとっての大きな心の支えにもなるでしょう。
介助犬と一緒に暮らすことで、ユーザー本人だけでなく、家族も安心して外出できるようになったケースも多く見られます。
また、外出の機会が増え、周囲の人たちとのコミュニケーションも多くなったなど、介助犬がきてから明るい性格になった……そんな人が少なくありません。
多岐にわたる仕事内容
介助犬の仕事内容には、様々なものがあります。ユーザーの障害の種類や程度に合わせて、専門的な訓練を受けています。
そのため、介助犬だからと言って以下に挙げることをすべてできるわけではありません。
では、介助犬が行う主な仕事を見てみましょう。
- お金やカード、鍵、書類など落としたものを拾う
- 携帯電話やペットボトル、新聞など指示したものを持ってくる
- 電話の受話器を取る、家族を呼ぶ、緊急ボタンを押すなど連絡手段を確保する
このほか、ドアの開閉や物の運搬、服や靴を脱ぐ介助、車椅子の牽引などユーザーの要望に応じた介助をしてくれます。
24時間ユーザーに寄り添い、一心同体となって働く介助犬は、まさに心強いパートナーと言えるでしょう。
介助犬になる犬
全国に76頭(2015年6月1日現在)いる介助犬ですが、日本国内で活躍している介助犬のほとんどがラブラドール・レトリバーです。
そのほか、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックス犬などが介助犬に向いています。
盲導犬にレトリバー種の犬が選ばれるのと同様、従順で人と一緒に仕事をすることに大きな喜びを感じると言われているのが、介助犬の場合もレトリバー種が適している理由です。
また、犬種問わず、高い集中力と作業意欲のある犬が介助犬に向いているとされます。
一方、日本よりもはるかに介助犬が普及しているアメリカでは、レトリバー種以外にも、数多くの小型犬や雑種犬が介助犬に認定されています。