一般的に門脈シャントと呼ばれるものは、別名門脈体循環シャントとも呼ばれます。
門脈は血管で、シャントは本来通るべき血管とは違う流れができてしまうことを言います。
このことから、肝臓で解毒されなかった毒素が身体を巡るため、様々な障害が起こります。
主な症状
門脈シャントは肝性脳症を起こす事が多く、下記のような症状が現れます。
- 目が見えなくなる(一時的)
- よだれ
- 痙攣
- ふらつき
症状はいつも出るわけではなく、食後だけに現れる場合や、出ている症状が食後に悪化する場合があります。いずれにしても食後は注意して愛犬の様子をみなければいけません。
先天性の門脈シャントには発育不良が見られますが、後天性の場合は以下の症状が出ます。
- 食欲不振
- 腹水
- 体重減少
- 尿路結石・膀胱炎(合併症)
治療しないと肝機能障害を起こし、死に至る可能性があります。
原因
原因のほとんどは先天性になります。ただ、肝臓に肝硬変や慢性肝炎などの疾患があると、後天的に門脈シャントになることがあります。
治療・予防
門脈シャントはシーズー、ラブラドールレトリーバー、ヨークシャーテリアなど、先天的に発症しやすい犬種がありますので、定期健診を受ける事で予防、早期発見、早期治療につながります。
肝臓病が原因の後天性のものは治療は投薬の他に、肝臓を保護する働きのある食事をさせます。先天性の門脈シャントの場合は、手術をすることで病気が完治したり、延命することができますので、獣医の指示に従って治療に専念します。