犬の病気「Q熱」
1935年にオーストラリアで発生したQuery Feverという病気の頭文字をとったものが、Q熱と言われています。この病気は、1987年に日本国内でも発見され、犬だけでなく、人間を含む哺乳類や鳥類なども発症します。
Q熱の主な症状
Q熱は、病原菌に感染してから2週間~30日弱の潜伏期間があります。その潜伏期間後、Q熱の主な症状として軽い発熱が見られます。Q熱にかかっても、発熱以外は、特にこれと言った症状が出るわけではありません。また、無症状のことも少なくなく、病気に気付かないことも多いです。
ただ、Q熱を発症した犬が女の子の場合は不妊になったり、妊娠しているならお腹の子が流れてしまうケースが稀に報告されています。
人間の場合
人間がQ熱を発症すると、2~3週間の潜伏期間後、風邪に似たような症状が出ます。悪寒を伴う高熱や頭痛、全身の倦怠感、関節・筋肉の痛みといった症状が現れ、多くの場合、発熱が2週間ほど続きます。重症化すると、咳や胸の痛みが出て肺炎を起こすこともあります。
Q熱にかかる原因
Q熱発症の原因は、コクシエラ・バーネッティと呼ばれる菌です。Q熱にかかっている犬や他の動物の排泄物と共に菌が排泄されます。その排泄物を愛犬がなめたり、空気中に漂っている菌を吸い込むことで、感染してしまいます。
その他に、マダニがQ熱の菌を持っている場合があるため、その菌を持つマダニに咬まれることで、感染することも考えられます。
Q熱の治療法
>Q熱の治療法としては、抗生剤の投与による薬物療法が行われます。抗生剤の投与は、3~4週間続けられます。犬の場合は軽い症状のことがほとんどで、発症に気付きにくいかもしれません。万が一、妊娠中の愛犬が発熱している場合や外でマダニに咬まれたようなことがあれば、念のために病院で診てもらいましょう。
Q熱の予防法
Q熱には、特別な予防法がありません。犬の排泄物を放置せず、常に飼育環境を清潔にしておくこと、マダニ予防をしっかり行うことを心がけましょう。また、もし妊娠中の愛犬の子が流れてしまった時などは、病院できちんと診察を受けましょう。
飼い主も日頃から、犬の排泄物に直接触れないなどの注意が必要です。