骨肉腫は人間にとっても恐ろしい病気ですが、犬にとっても同様のことが言えます。骨に悪性腫瘍ができるため、激しい痛みを伴います。骨のがんと言われる骨肉腫は、早期発見・早期治療が重要です。
骨肉腫の主な症状
犬の骨肉腫は、四肢によく発生します。そのため、足の症状が多く見られます。
- 足をかばったり、引きずったりする
- 骨が腫れる
- 足を痛がる
- 運動を嫌がる
このような足の症状以外に、稀ですが悪性腫瘍がアゴの骨にもできてしまう場合があります。また、骨肉腫は進行がとても速く、転移もしやすい特徴を持っています。特に、肺へは頻繁に転移します。犬が骨肉腫になっていると判明したときには、すでに肺への転移が認められるケースも少なくありません。
骨肉腫の原因
骨肉腫の発生原因は、明らかになっていません。ですが、犬の体の大きさや骨折が原因とも考えられています。一般的には7~9歳前後の犬に多いですが、場合によって
骨肉腫になりやすい犬種
骨肉腫は、比較的大型犬によく発症すると言われています。ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、グレート・ピレニーズ、シベリアン・ハスキーなどの犬種に多いです。ただし、なぜ大型犬によく見られるのか、そのメカニズムは不明です。
骨折
骨折が犬の骨肉腫の原因とされる説もあります。患部の固定に使われる金属プレートの腐食が原因と考えられます。骨折すると、必ず骨肉腫になるというわけではありませんが、骨折がその一因となり得ることも頭に入れておきましょう。
骨肉腫の治療法
骨肉腫の治療は、悪性腫瘍を切除するために足の切断を余儀なくされることが少なくありません。手術後に抗がん剤治の投与を続けることが、基本的な治療法になります。悪性腫瘍のある足を切断することで、犬は激しい痛みから解放されます。犬に体力がない場合は、抗がん剤治療のみ行われることがあります。いずれにしても予後はあまりよくありませんが、放置していると苦しい思いをしながら、あっという間に死に至ります。手術ができるのなら、痛みだけでも取り除き、残された時間を少しでも穏やかに過ごさせてあげることが望ましいでしょう。