春になると、愛犬の予防接種の時期がやってきます。狂犬病予防注射は義務ですが、混合ワクチンはどうしてますか?
愛犬のワクチン予防接種
ワクチンは、「法律で予防接種が義務づけられているもの」と、「病気を予防するため接種するもの」に分けられます。
愛犬の予防接種には、狂犬病予防法にて年1回必ず接種しなければならない「狂犬病ワクチン」と病気を予防するための「混合ワクチン」、ノミやダニ、フィラリアから守るためのものがあります。
混合ワクチン
混合ワクチンは3種から9種の病気を予防するためのもので、重篤な病気を予防するためのコアワクチンと、飼い主がリスクなどを判断して接種するノンコアワクチンがあります。
【1】コアワクチン
すべての犬に接種するよう勧告されているワクチン
(ジステンパーウイルス・パルボウイルス・アデノウイルス・狂犬病ウイルス)
- ・致死率の高い伝染病
- ・人獣共通感染症で人の健康に甚大な被害を及ぼす可能性がある伝染病
- ・広く流行し、多くの動物に被害を与える伝染病
上記のいずれかを予防するためのワクチンです。
コアワクチンは、感染率と発症後の死亡率の高い伝染病の予防接種となり、現在では下記の5種があります。
- 犬ジステンパー
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬アデノウイルス1型感染症(犬伝染性肝炎)
- 犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
- 犬パラインフルエンザ
中でも、ジステンパー、犬伝染性肝炎、パルボウイルス感染症は、特に重篤で3種混合、5種混合の接種を勧奨しています。
【2】ノンコアワクチン
ワクチンで予防可能な病原体で、その病原体に暴露される危険性のある個体のみに接種するべきワクチンです。
ノンコアワクチンは、地域環境や感染のリスクを考慮して、接種するかを判断する予防接種になります。3種のレプトスピラ病とコロナウイルス感染症があります。
- 犬レプトスピラ病カニコーラ型
- 犬レプトスピラ病黄疸出血型
- 犬レプトスピラ病へブドマディス
- 犬コロナウイルス感染症
狂犬病ワクチンとワクチン猶予証明書
狂犬病は犬だけではなく、猫や狐、コウモリなど、色々な動物が感染する病気で、人にも感染する病気です。
狂犬病に罹患している犬は、異常に興奮し、攻撃的になります。
また、麻痺という症状で現れる場合もあり、水などを飲みこめなくなります。
狂犬病は哺乳類全般に感染する病気です。
発症すると治療法が無く、死にいたる怖い病気です。
人から人への感染はしませんが、感染した愛犬に咬まれたりする事で人も感染してしまいます。
狂犬病予防注射は、狂犬病予防法にて接種が義務付けられていて、毎年4~6月に市区町村より接種の案内ハガキが送付されます。
下記のような状況ではワクチン接種の重い副反応が出たり、犬の健康・生命に影響を及ぼす可能性が考えられます。危険を承知で予防注射を受けることはお奨めできません。獣医師に相談してください。
- 過去の狂犬病予防注射で副反応(アレルギー、体調悪化など)が出た。
- がん治療中である。がんの再発のコントロール中である。
- 重い免疫疾患を患っている。
- 重い感染症を患っている。
- 重度のアレルギー、アトピー体質である。
- 痙攣を起こしやすい。
- 闘病による体力低下が著しい。
- 老衰である。高齢のために体力・免疫力の低下が著しい。
- 抗がん剤、抗リウマチ薬などの強力な免疫抑制剤を使用している。
狂犬病予防法にて、毎年の接種が義務付けられている「狂犬病予防注射」ですが、接種する愛犬の健康状態によっては「猶予」を受ける事が可能です。
引用URL http://cordy.monolith-japan.com/news/4527/
かかりつけの獣医師の問診によっては、接種が不可となり「ワクチン猶予証明書」を交付してもらうことができます。
接種後の注意点と副作用(ワクチンアレルギー)
ワクチンを打った後しばらくは安静に過ごせるようにしてあげましょう。2〜3日はお散歩もなるべく短く、飼い主さんからすすんで遊びに誘ったりはしないようにしましょう。また、お風呂や旅行などストレスがかかることも1週間から10日は控えたほうがいいでしょう。
ワクチン接種後は抗体ができるまでは安静にして、他の動物との接触を避けましょう。他の犬たちが集まる公園や、トリミングなどの普段通りの生活は1~2週間後にしましょう。
ワクチン接種後にアレルギー反応を起こす事がまれにあります。よく遭遇するのが顔面腫脹で、眼の周りやマズル・口の周りがパンパンに腫れて痒がります。また、接種部位が腫れたり痛みがでたりする事もあります。
副作用の症状としては次のものが現れることがあります。
- 顔が腫れる(血管浮腫)
- 蕁麻疹
- 発熱
- 元気消失
- 注射部位の疼痛や硬結
ごく稀にアナフィラキシーショックが起きる事があります。
接種から20分以内に発生する事が多いので、接種後30分は病院で様子を見たほうが良いでしょう。
ワクチン予防接種まとめ
人間の子供たちは幼少期の予防接種で終わりますが、愛犬の場合は、怖い伝染病もあり、毎年の接種が必要となります。最近では少し見直されていて、3年毎でも良いとする獣医師さんもいらっしゃいます。
病気予防のためのワクチン接種ですが、同時に体への負担も大きいです。
大切な「家族」でもある愛犬が病気にならないためのものですので、よく考えて予防接種を受けましょう。