クッシング症候群は副腎皮質機能亢進症とも呼ばれ、犬に多く見られる病気の一つです。副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって、様々な症状が現れます。場合によっては、糖尿病を併発することもあるので、気をつけなければいけません。
クッシング症候群の主な症状
犬がクッシング症候群にかかると、次のような症状が見られるようになります。
- 水を沢山飲む
- 尿の量が増える
- 左右対称の脱毛
- 体重減少
- お腹が膨れる
これらの症状以外にも、被毛が薄くなる、皮膚が黒ずんだり脂っぽくなる、運動を嫌がるなどの症状が出ることもあります。
病気が進行するにつれて、次第に元気がなくなり、いつも眠ってばかりいるようになります。免疫力も低下するため皮膚炎や膀胱炎などの感染症にもかかりやすくなってしまいますし、時には糖尿病を併発するケースもあるため、充分な注意が必要です。
クッシング症候群の原因
クッシング症候群の発症原因は、副腎皮質ホルモンの過剰分泌です。副腎皮質ホルモンが過剰分泌される理由はいくつか考えられますが、主に3つのことがあります。
脳下垂体の腫瘍
脳下垂体にできた腫瘍によって、副腎皮質を刺激するホルモンが多く作られます。その結果、副腎皮質ホルモンが過剰分泌されます。
副腎皮質の腫瘍
副腎皮質に腫瘍ができてしまうことで、ホルモンの過剰分泌が起こります。
医療行為によるもの
他の病気などで、副腎皮質ホルモンを過剰摂取していると、クッシング症候群の発症を招きます。外用薬の使用で起こる場合もあります。
クッシング症候群の治療法
犬のクッシング症候群の治療は、薬物療法が一般的です。副腎皮質ホルモンの分泌を抑制するための薬を投与します。最初は毎日服薬して、ホルモンの抑制が確認できたら、その後は週1~2回の服薬になります。治療を始めて2ヶ月ほどで脱毛などの症状は改善されることが多いですが、途中で服薬を止めると再発してしまうため、服薬期間などはきちんと医師の指示に従いましょう。
また、腫瘍の大きさなどによっては、放射線治療や外科手術が行われる場合もあります。