アカラス(毛包虫症)
犬のアカラスは、アカラスという寄生虫が皮膚につくことによって起こる皮膚病の一種です。この病気は、毛包虫症やニキビダニ症とも呼ばれています。多くの場合、生後間もなく、母犬から感染すると言われます。
アカラスの主な症状
犬のアカラスの場合、目や口の周り、足先などが特に感染しやすい部位とされています。
発症すると、主に次のような症状が見られます。
- フケが多くなる
- 皮膚が痒くなる
- 脱毛
- 皮膚が荒れる
一般的にアカラスは、脱毛、膿胞の発生、二次感染と3段階の経過をたどりながら、悪化していく傾向にあるので、注意が必要です。
アカラスによる脱毛
初期症状では痒みを伴わず、2~3cm程度の大きさの脱毛になることが多いです。つるんとした比較的キレイな皮膚の表面が特徴的です。
膿胞の発生
アカラスが繁殖していくことで、毛根がダメージを受けて脱毛しますが、次第にニキビに似た膿胞が沢山できて、皮膚のただれが目立つようになります。このただれを放っておくと、脱毛部位が広範囲にわたり、全身に見られるようになってしまうこともあります。
二次感染
細菌の二次感染が起きてしまうと、痒みや痛みがさらに増していきます。全身が化膿して、出血するようになります。
アカラスの原因
アカラス(毛包虫、あるいはイヌニキビダニ)という寄生虫による皮膚病ですが、この寄生虫は元々多くの犬に寄生しています。犬が元気な状態では何の症状も現れません。ところが、体調不良など何らかの原因で犬の抵抗力が低下してしまったときに、アカラスが異常繁殖してしまう場合があります。
アカラスは子犬に多い皮膚病とはいえ、成犬が発症しないわけではありません。アトピー性皮膚炎や糖尿病、甲状腺機能低下症、膿皮症などの疾患を持っていると、アカラスが発症または重症化しやすいと考えられています。
アカラスが発症しやすい犬種
どの犬種にも発症の可能性はあります。ですが、パグやブルドッグ、チャイニーズ・シャーペイなどには特に多く見られます。
アカラスの治療法
犬のアカラスでは、寄生虫を駆除するために駆虫薬による治療が行われます。投薬や薬浴を行いますが、完全に駆除することは難しいため、根気よく治療をしていかなければいけません。さらに、細菌に二次感染している場合は、抗生剤の投与も必要になります。症状が軽くなっても、治療を受け続けることが大事です。